ミュージカル『メリー・ポピンズ』の稽古場披露が2月12日に都内で行われ、キャストによる会見が実施された。名作映画を原作に、日本では3度目の上演となる本作。1910年のロンドンを舞台に、不思議な力を持つメリー・ポピンズがバンクス家にもたらす変化と“家族の幸せ”を描く物語。会見では、主要キャストがそれぞれ作品への思いや現在の稽古の手応えを語った。

メリー・ポピンズ役をトリプルキャストで務める濱田めぐみは、3度目の出演となる本作の魅力について問われると、「今回が3回目の出演になりますが、毎回色々な台詞や歌詞からヒントをもらっています。その時その時の感覚で自分の中に響く言葉も、メリーを演じている時に聞く台詞と、濱田めぐみとして聞く台詞の感覚も違いますし、言葉の魔法というものが沢山散りばめられています。色々なシーンを観ていてとても引き込まれますし、魔法がかかるような感じがしています」と語り、作品に込められた“言葉の力”を強調した。
同じくメリー役の笹本玲奈は、前回公演からの再挑戦にあたり新たに取り組んでいることとして、「今回の出演が決まってから、マシンピラティス、そしてハイアルチという高山トレーニングを始めました。前回公演で本作の歌と踊りは、ものすごい肺活量が必要だと身に染みて感じたので、少しでも心肺機能を鍛えたいと思い始めました」と告白。さらに「メリーの上半身は白鳥のように優雅なのですが、下半身は常に決められたポジションでギュッと立ち、そして激しく動かなければいけないので、最近は稽古であまり行けていないのですが、トレーニングを続けております」と、役への真摯な姿勢を明かした。
今回からメリー役に加わる朝夏まなとは、客席から初演を観劇していた経験を踏まえ、「一観客として拝見していた時は、温かいパワーに圧倒されて、セットや音楽、素晴らしい総合芸術にただただ感動しておりました」と回想。その上で、「今回参加して、とても綿密に作られていて繊細で、だからこそ素晴らしい舞台が完成するんだと実感しております。いまは絶賛、筋肉痛と戦っておりますが、初日までになんとか収まり、素晴らしい舞台の一員として胸を張って舞台に立つことができるまで精進したいと思いますし、私が観て感じた感動を、お客様にもお届けしたいと思います」と意気込みを語った。
バート役もトリプルキャストで上演される。初演から同役を務める大貫勇輔は、「メリーとバート、トリプルキャストそれぞれ、お客様が感じるものも、自分自身が感じるものも違うと思うので、観る方にも楽しんでもらえたらなと思っております」とコメント。さらに、「僕も濱田さんと同じで、4年前とは違った台詞が刺さることがあります。例えば銀行のシーンや、バードウーマンのシーンでマイケルが無邪気に鳩に餌をあげているところで『なんでこんなにジーンとするんだろう?』と思ったりしています。前回、前々回の公演を観た方も、4年、8年という歳月でご自身の中で変わっているものによって、この作品にも新しい発見があると思うので、是非もう一度観にいらしていただけたらと思っております」と再観劇への期待を寄せた。
小野田龍之介は、コロナ禍での前回公演を振り返りつつ、「作品の魅力について、バートを演じているから余計に感じる部分でもあるのですが、人のコミュニティの強さ、大切さを強く感じています」と語る。「今回は人と人がちゃんと繋がり合って稽古をして作品を作っていく状況と、物語の中の状況…重なって、稽古場で顔と顔を見ながら作っていけることは非常に豊かだなと感じております。それがこの作品に強いエネルギーをもたらすのではないかと思います」と、カンパニーの結束が舞台に与える力を強調した。
新たにバート役に挑む上川一哉は、「どのシーンも大変ではあるのですが、個人的に、『ステップ・イン・タイム』で壁を上って逆さでタップをするシーンは大きな挑戦です」と明かす。「稽古場で初めて逆さになってタップを踏む経験をした時、一番初めに出たリチャードの言葉は『目を開けて!』でした。自分では目を開けていると思っていたのですが…(笑)」と会場を和ませつつ、「群舞としてのエネルギーをさらに出していけるようになったら、僕らも楽しめますし、お客様にも楽しんでいただけるのではと思っております」と前向きに語った。
公演は3月21日から27日までプレビュー公演を実施。その後、3月28日から5月9日まで東京・東急シアターオーブ、5月21日から6月6日まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて上演される。
公開稽古の様子
この日の公開稽古では、出演者が実際の動きを交えて演技やダンスシーンの稽古に臨んだ。
主要場面のナンバーが披露され、躍動感あふれるシーンが垣間見えた。
稽古場には役同士の呼吸が感じられ、本番へ向けた熱気が高まっていた。






公演概要
ミュージカル『メリー・ポピンズ』
特別協賛:Sky株式会社
企画制作:ホリプロ/東宝
主催:ミュージカル『メリー・ポピンズ』製作委員会
主な出演者
メリー・ポピンズ:濱田めぐみ/笹本玲奈/朝夏まなと(トリプルキャスト)
バート:大貫勇輔/小野田龍之介/上川一哉(トリプルキャスト)
ジョージ・バンクス:小西遼生/福士誠治
ウィニフレッド・バンクス:木村花代/知念里奈
バードウーマン/ミス・アンドリュー:島田歌穂/樹里咲穂
ブーム提督/頭取:コング桑田/安崎求
ミセス・ブリル:浦嶋りんこ/久保田磨希
ロバートソン・アイ:石川新太/DION
ジェーン・バンクス、マイケル・バンクス役ほか、実力派キャストが出演。
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ストーリー
1910年のロンドン。チェリー・ツリー・レーンに暮らすバンクス家に、不思議な力を持つ家庭教師メリー・ポピンズが舞い降りる。煙突掃除屋のバートとともに繰り広げられる魔法のような日々の中で、子どもたちは歓喜するが、父ジョージは銀行でのある融資をきっかけに窮地に立たされる。
やがて家族は本当の幸せに気づき、メリーは再び空へと帰っていく――。
公式サイト:https://marypoppins2026.jp/
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